スラム化するマンションを購入しないようにするには?

スラム化するマンション

今の世の中そんじゅそこらに新築マンションが立ち並びマンション業界活況を呈しているように見受けられたりしますが、そんな新築マンションであっても数年経過したらスラム化してしまう(った)マンションも存在したりしているもんです。

どうしてあれだけ活気に満ちていたマンションがスラム化してしまうのか?などスラム化してしまうようなマンションを購入しないため、どのような物件がスラム化してしまう可能性が高いのかを書いてみたいと思いますので参考にしてみてください。

例えば、こんなパターン

「マンションを購入して1ヶ月、とくに大きな不便も感じず快適そのもの! 駐車場は無料で修繕積立金も安いし、いい物件を購入することが出来て本当に良かったよ!」

な~んて、マンションを購入して最初の数年間は何事もなかったように過ぎていくわけですが、10年近く経ってから突然に、あるお知らせお手元に届くことに。

  • 「ええっ!修繕積立金が1万円に値上がりするの!」
  • 「まぁ~最初の値上がりは、6千円で相場より安かったんだから仕方がないかな?」
  •   ↓ ↓
  • ところが、さらに!
  • 「ええっ!今度は2万円に値上がりするの?」
  • 「一体どういうことなの?これは。」

と、あえて典型的なパターンを例にちょっと心の声を書いてみましたが、一体どういうことがこのマンションに起こっているんでしょうか?ちょっと説明してみます。

マンションコストは入居者負担が原則

通常、ファミリー向けの分譲マンションでは駐車場があるのが普通かと思いますが、マンションの駐車場は機械式駐車場が多いですよね。

ところが、この機械式駐車場っていうのがメンテナンスに数千万円かかってしまうシロモノなんです。さらに15年から20年で機械を入れ替える必要があるんですが、その改修費用に一千万円ほどかかってしまうというのが現実。

そして、当たり前の話ですが、こうしたマンションコストはマンションの利用者(入居者)が負担しなくてはいけないものですので、反対するわけにもいかないんですよね。

マンションを購入する際には、駐車場の利用料が無料だったから月々の支払いも楽だなぁ~なんて思っていたのに後でこんなに値上がりしてしまうだなんて!

ただ、こんな嘆きも本来、知っておかなければいけないようなことを知らなかった、というところからくるもんなんですけど一概にそうとばかりは言えないケースもあったりするんです。

実際に行った販売経験

過去にワタクシもマンション販売をしていた際、どう考えても売れ残ってしまうだろうな、というマンションの販売に関してはあれやこれや色々な策を施してなんとか完売にまでこぎつけたという経験が何度かあります。

その内の一つに、あえて駐車場無料!と言うフレーズを全面に出して割安感を漂わせたうえでの販売をしたこともあります。当然、管理会社も見て見ぬふり状態なわけです。

修繕積立金は、大規模修繕の工事に向けて貯めているものですが、機械式駐車場のメンテナンスコストなどに気づいた管理組合が値上げせざる負えないという現実を後になって気付き値上げに踏み切るしかないという流れ。

まぁ~上記に上げた例なんかは極端な例ではありますが、実際にかかるマンションに必要な修繕積立金よりも現在も尚安すぎる修繕積立金を設定して販売している新築マンションは多いのが現状です。

マンションに必要な修繕積立金

では一体どのくらいの修繕積立金が必要になってくるのか分からない方も多いかと思いますので、その目安となるような数字を書いておきますと。

1-14階建てマンションの1㎡あたりの平均月額

  • 50戸未満のマンションで218円
  • 50~100戸未満のマンションで202円
  • 100戸以上のマンションで178円

と言われていますので、上記の数字をある程度参考にしていただいて、検討中のマンションがあるようであれば比較されてみるのもいいかと思います。

スラム化マンションとは?

前置きが長くなってしまいましたが、そもそもスラム化しつつある(してしまった)マンションとは一体どんなマンションのことを指すのでしょうか?

スラム化マンションとは、マンションの状態や価値を長期間維持するための大規模修繕工事が行えないがためにマンションの老朽化が激しく進んでしまっているマンションのことを指します。

マンションの大規模修繕工事

マンションの大規模修繕工事とは10~15年ごとに行われる外壁の塗替えや屋外の防水工事といった大規模な改修のことになりますが、先程の例にあげたような機械式駐車場のメンテナンスやエレベーターのメンテナンスもここに含まれます。

大規模修繕工事のお金の不足

この大規模修繕工事のお金は、マンションの区分所有者が毎月、管理組合に対して払い込む修繕積立金が元になっています。そして管理組合は、この修繕積立金が足りないとなった時には毎月の金額を増額したり、一時的に追加費用を求めざる負えない状況になってしまうわけです。

東京23区の新築物件の平均的な修繕積立金は約6,600円ほどになるんですが、最近では改修時に修繕積立金が不足している傾向が強く、管理組合でトラブルになるケースが増加しています。

というのも、先ほどマンション販売に携わっていた際の話にも書きましたけど、マンションの販売時に月々の負担をできるだけ安く見せたい、という業者側の思惑があったりするんですね。

その結果、管理組合が修繕積立金の不足に気がついて、区分所有者に追加費用を求めざる負えない、と。区分所有者にとっては寝耳に水の方もいらっしゃるかもしれませんよね。

管理体制の悪化

高額になった修繕積立金を滞納する区分所有者が続出することになり、追加の費用も嫌うため本来必要な管理にもお金をかけないようになってきてしまうような流れができてしまうわけです。

常時エントランスなどにいるはずだった管理人さんが定期的なパトロールだけになってしまうことで監視の目も行き届かなくなり、不審人物が無人の部屋に入り込んでみたり、火の不始末が原因でボヤ騒ぎがおこるようになってみたり、とよりマンションの環境の悪化したりしまいます。

こうやって、スラム化してしまったマンションの完成というわけです。

せっかく35年もの長いローンを払い終わっても老朽化したスラム化マンションしか手元に残らなかったなんて笑い事にもなりません。

スラム化を防ぐための国土交通省のガイドライン

こういったスラム化してしまうマンションを防ぐために国土交通省も「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を2011年に発表されていますので、その数字と現状との数字を比べると2倍の開きがあることが分かります。

1-14階建てマンションの平均月額(70㎡換算)
50戸未満のマンションで15,260円
50~100戸未満のマンションで14,140円
100戸以上のマンションで12,460円

国土交通省の調査では、現在の首都圏の新築マンションの平均額は、月6,650円程度なので、必要額との差は歴然としていますね。長期修繕計画とは何だったのか?なんて気持ちにもなってしまいます。

ちなみに20階以上の高層マンションは、外壁の改修に特殊な足場が必要などの理由で割高になりますし、15~19階建てマンションは、高層マンションと中低層マンションの中間ぐらいが目安になってますので、参考にされてみてください。

まとめ

スラム化してしまうマンションがどうやって完成してしまうのか色々と書きましたけど、これってなかなか購入者一人ひとりで解決、なんていうことは難しい問題なので国がなんらかの規制をかけていくべき問題なのではないかな?などと個人的には思ったりします。

けど、それはそれとして、今まで大量に供給されてきたマンションが老朽化してきている昨今、中古マンションをどうしていくのかということも課題の一つですよね。

まっ、スラム化マンションの件については、しばらくしたら修繕積立金は確実に上がるだろうな、という前提を元に考えておかなくはいけないということだけは確かだと思いますので、マンション購入を検討している方は念頭においておいたほうがいいかと思います。

それでは、皆さん良き住宅選びを!!

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